スイカに含まれる栄養素とは?

スイカに含まれる栄養素とは?最新の研究に基づく驚きの効能

スイカは、暑い夏に欠かせない食べ物で、その爽やかな甘さから多くの人に親しまれています。しかしスイカが持つ驚くべき健康効果について、まだ知られていない点が多くあります。本記事ではスイカに含まれる栄養素とその効能について、最新の研究結果を踏まえて詳しく解説します。

スイカに含まれる一般的な栄養成分について

スイカの一般的な栄養素

スイカは、その味だけでなく栄養価にも優れた食べ物です。以下は、スイカ100gあたりに含まれる主な栄養素の一覧です。

スイカ100gの果肉に含まれる一般的な栄養成分

  • 水分:91.45g
  • エネルギー:30kcal
  • タンパク質:0.61g
  • 脂質:0.15g
  • 炭水化物:7.55g
  • 食物繊維:0.4g
  • 糖類:6.2g
  • ビタミンC8.1mg
  • ビタミンA:569IU
  • カルシウム:7mg
  • :0.24mg
  • カリウム:112mg

[1]より引用

スイカは、ダイエットを考える方にとっても優秀な食品です。100gあたりわずか30kcalで、白米の約130kcalに比べると、非常に低カロリーです。

また、スイカには果糖、ブドウ糖、スクロースといった炭水化物が含まれており、100gあたり7.55gの炭水化物がエネルギー補給源として働きます。これらの炭水化物は天然由来のもので安心です。

さらに、ビタミンAとビタミンCも豊富です。ビタミンAは視力の維持や肌の健康をサポートし、ビタミンCは強い抗酸化作用を発揮する栄養素です。

スイカに含まれる特有の栄養素について

スイカにはたくさんの栄養が詰まっていますが、スイカに特に豊富に含まれる栄養素があります。
スイカの栄養素

シトルリン

 シトルリンはスイカを代表する栄養素の一つです。スイカはシトルリンというアミノ酸を豊富に含んでおり、様々な健康効果を発揮します。特にシトルリンは体内に入るとアルギニンに変換され、その後一酸化窒素(NO)に変換されます。一酸化窒素(NO)は血管の柔軟性を高めて拡張させるため、血流を改善する効果があります。血流を改善する作用は様々な生活習慣病を予防する効果が期待できるため、シトルリンについて現在でも多くの研究報告がなされています。

シトルリンの含有量は、スイカの生の果肉100gあたり約200mg程度含まれています[2]。シトルリンはウリ科の野菜に多く含まれており、他にはきゅうりやゴーヤなどにも含まれます。

リコピン

リコピンは強力な抗酸化作用を持つカロテノイドの一種で、スイカの赤い色の元となっています。100gのスイカには約4mgのリコピンが含まれており、トマトに次ぐ豊富なリコピン源として知られています[1]。リコピンは体内に入ると様々な健康効果を発揮します。リコピンには、抗がん作用、抗酸化作用、心臓保護作用、および血圧降下作用などがあります[3]。またアンチエイジングにも効果的とされるため、積極的に摂取したい栄養素です。

βカロテン

βカロテンはカロテノイドの一種であり、オレンジ~黄色の明るい色の色素です。βカロテンも強力な抗酸化物質であり、体の酸化を防ぎアンチエイジング効果を発揮します。β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、目の疲労改善や免疫機能の向上に寄与します[4]

スイカの品種や部位による栄養素の違いについて

スイカには多くの品種が存在し、それぞれ異なる栄養成分が含まれています。果肉の色やスイカの部位によっても栄養素に違いがあるため、それぞれの特徴を理解することが健康維持に役立ちます。

色による違い[5]

日本では主に赤い果肉と黄色い果肉の品種が見られますが、これは栄養成分に違いがあるためです。赤い果肉のスイカにはリコピンが多く含まれています。一方で黄色い果肉のスイカには、β-カロテンが豊富に含まれています。

このような植物の色の違いはフィトケミカルと呼ばれる植物に由来する化学物質の配合によって決まります。リコピンやβカロテンもフィトケミカルの一種です。フィトケミカルは強力な抗酸化作用を持つため注目されています。

バランスの良い食事のためには様々な色の野菜を取り入れるのが良いでしょう。

スイカの部位による違い

スイカと言えば、果肉だけを楽しむことが一般的ですが、実はスイカの他の部分も食べることができ、健康に良い栄養素が詰まっています。果肉はスイカ全体の重量の約40%を占めており、それ以外(皮や種)の重量は全体の約60%を占めています。[6]

スイカの各部位にはそれぞれ異なる配分の栄養素が含まれており、健康にさまざまなメリットをもたらします。ここではスイカ栄養成分を「果肉」「皮」「種」三つの部位に分けて説明していきます。

スイカの色・部位別栄養素の違い
スイカの色・部位別栄養素の違い

果肉

果肉は主に水分と糖分が豊富で、スイカとして最も皆さんが食べている部分です。リコピンやシトルリンが豊富に含まれており、美味しくて健康的な食品となっています。

スイカの皮にも果肉同様に豊富なシトルリンが含まれています。スイカの皮の内側の部分(白っぽい部分)にはシトルリンが豊富に含まれていると言われています。

また、スイカの皮の外側の部分(緑色の部分)には抗酸化物質であるフェノール化合物および、食物繊維が豊富に含まれていることが確認されています。この成分は消化促進や腸内環境の改善に役立つとされています。

スイカの皮全体をそのまま食べることは難しいですが、漬物にしたり、細かくしてスムージーに加えたりすることで、簡単に摂取できます。最近では皮が占める体積の多い摘果スイカも販売されており、安価にスイカの皮の漬物にチャレンジすることが可能です。

ちなみに摘果スイカとはスイカの栽培過程で、スイカの品質を向上させるために間引きされた未成熟なスイカのことを言います。近年ではその栄養価が着目され、道の駅やネットなどで販売されるようになってきました。

スイカの種についても侮れません。以下にスイカの種の栄養成分についてまとめました。

乾燥させたスイカの種100gに含まれる一般的な栄養成分

  • 水分:5.05
  • エネルギー:557kcal
  • タンパク質:28.3 g
  • 脂質:47.4 g
  • 炭水化物:15.3 g
  • カルシウム:54mg
  • :7.28mg
  • マグネシウム:515mg
  • カリウム:648mg
  • 亜鉛:10.2
  • ビタミンC:0mg
  • ビタミンA:0μg
  • 飽和脂肪酸:9.78g
  • コレステロール:0mg

[1]より作成

    スイカの種は、100gあたり557 kcalでタンパク質や脂質が豊富です。また鉄やマグネシウムなどのミネラルも多く含まれる栄養価の高い食品です。

    他のスイカの部位に比べて高カロリーですが、スイカ1個あたりに含まれる種の量はそこまで多くないため心配はいりません。

    またスイカの種に含まれる脂質には良質なリノール酸やオレイン酸などの多価不飽和脂肪酸が多く含まれています。この脂肪酸はアルツハイマー病やうつ病などの神経障害を予防・治療する可能性があると考えられており、スイカを食べるときには積極的に摂取したい栄養素となります。

    スイカの種の栄養素を効率よく吸収したいときには、噛み潰すか細かく砕いて摂取するのがおすすめです。

    スイカの栄養成分は、収穫エリア遺伝的変異、そして栽培条件(気温、湿度、光量)によっても影響を受けます。これらの要因は果実の発育や品質、さらには保存期間にも影響を与えます。また、肥料の種類や量もビタミンCの含有量に影響することが知られています[5]

    スイカによる健康効果

    スイカの健康効果

    ここからはスイカを摂取するとどのような健康効果があるのか、具体的に説明していきます。

    熱中症を予防する効果

    スイカは熱中症を予防する食品として有名です。その理由は主に以下の三つが挙げられます。

    1.豊富な水分含有量

    スイカはその質量の90%以上が水分であり、暑い季節における効果的な水分補給源として役立ちます。これにより、体内の水分を迅速に補い、熱中症などのリスクを軽減します。

    2.利尿作用

    スイカには利尿作用を持つカリウムが豊富に含まれており、体内の熱を水分と一緒に体外へ放出することができます。

    3.血管拡張作用

    スイカに含まれるシトルリンは、血管拡張作用を持つことで知られています。この成分は血流を促進し、体内の熱を効率的に放散するため、体温を下げるのに適しています。

    こういった理由から、冷たいアイスクリームよりも熱中症を予防する際にはスイカが効果的です。

    動脈硬化に対する効果

    スイカに含まれるリコピンやシトルリンは、動脈硬化の予防に寄与するとされています。

    特にシトルリンは、動脈硬化に関連するLDLコレステロール値を改善させる効果があることが確認されています [8]

    つまり、脳梗塞や心疾患などの重大な生活習慣病のリスクを低減する可能性が示唆されています。

    血圧を改善する効果

    スイカに含まれるシトルリンは、体内でアルギニンに変換され、一酸化窒素(NO)の生成を促します。一酸化窒素は血管を拡張し、血流を改善する働きがあります。この働きから血圧を低下させる効果が期待されています

    研究では、スイカの果肉の摂取が高血圧の改善に効果的であることが示されています[9]

    ダイエットに対する効果

    スイカは低カロリーでありながら、満腹感を得やすい果物です。この作用は過食を防いでくれるため、ダイエットに効果的な食品として注目されています。

    ある研究ではスイカの果肉を2カップ(300g程度)摂取すると、同じカロリー量のビスケットを食べた時に比べて満腹感が持続し、体重管理に役立つことが示されています[9]

    さらに、スイカを食べたグループでは満腹感が持続していたおかげで、食事全体のエネルギー摂取量を抑制する効果も確認されました。

    疲労回復に対する効果

    スイカに含まれるシトルリンは、疲労の回復を促進する効果も期待されています。特にいくつかの研究で運動後の疲労感や筋肉痛を和らげる効果が報告されています[10]

    シトルリンは筋肉の血流を増加させ、疲労物質の蓄積を防ぐため、運動後の回復を助けるとされています。

    アンチエイジング効果

    スイカにはリコピンやビタミンC、ビタミンAといった抗酸化物質が豊富に含まれています。これらの抗酸化物質は体を酸化させるフリーラジカルを中和し、細胞へのダメージを軽減すると言われています

    体内の酸化ストレスは老化と密接な関わりがあるとされており、アンチエイジングのためにも抗酸化物質を積極的に摂取する必要があります。スイカには前述したフィトケミカルが豊富に含まれており、抗酸化作用が確認されているフィトケミカルの数は50種類にも上ります[11]

    スイカの保存方法

    スイカはどうやって保存する?

    スイカを長く美味しく楽しむためには、適切な保存方法が重要です。

    カット後のスイカは空気に触れると酸化が進み、おいしさや栄養素が損なわれてしまいます。カット後は特に保存方法には気をつけましょう。

    以下はスイカの保管方法について説明します。

    玉スイカの常温保存

    これが一番美味しくスイカを食べられ、栄養素を最大限摂取できるためおすすめです。

    玉スイカは、日光の当たらない涼しい場所で保存するのが理想的です。品種にもよりますが常温で保存した場合、1週間程度は鮮度を保つことができます。

    また冷蔵庫のスペースに余裕があれば玉ごと冷蔵庫に入れ、食べる直前でカットするのがベストです

    カットスイカの冷蔵保存

     冷蔵庫のスペースに余裕がないため、カットしたスイカを冷蔵庫で保管する方も多いのではないでしょうか?

     カットした断面が空気に触れると、ビタミンCやリコピンなどの抗酸化物質が徐々に失われるため、カット後はできるだけ早く食べることが推奨されます。またカットしたスイカは、冷蔵庫に保管してなるべく早く食べましょう。保存する際は、しっかりとラップや密閉容器を活用して酸化を防ぎましょう。

    カットスイカの冷凍保存

    スイカは冷凍保存も可能です。スムージーやシャーベットに使うために、カットしたスイカを冷凍しておくと便利です。冷凍する際は、スイカを一口大にカットし、重ならないように袋に入れて冷凍します。こうすることで調理をする際に使いやすくなります。冷凍したスイカは、約1ヶ月間保存可能です。

    スイカを食べる時の注意点

    スイカを食べる時の注意点

    スイカは多くの健康効果を持つ果物ですが、いくつかの点に注意して摂取することが重要です。

    糖分の摂取に注意

    スイカの摂取によってインスリン抵抗性を改善させ、2型糖尿病の改善させる可能性があるといくつかの研究で報告されています[14]。しかし果糖を含んでいるため、大量に摂取すると血糖値が急激に上昇することがあります。特に糖尿病の方は、スイカの摂取量に注意し、ゆっくり食べることが大切です。

    また糖尿病の方はかかりつけ医に相談しましょう。

    冷えすぎに注意

    スイカは体を冷やす性質を持っているため、冷え性の方は過剰摂取に注意が必要です。特に夏場に冷えたスイカを一度に摂取すると、体が冷えすぎてしまうことがあります。冷たいスイカを食べる際はゆっくり時間をかけて食べましょう。また温かい飲み物や食事と一緒に摂ることで体温のバランスを取りましょう。

    まとめ

    スイカを食べて健康ライフを!

    スイカはその爽やかな味わいだけでなく、豊富な栄養素と健康効果が詰まった果物です。水分補給、抗酸化作用、血流改善、ダイエット、美容効果などの優れた健康効果がスイカを摂取することで得られます。また、スイカの果肉だけでなく皮や種にも多くの栄養が含まれており、無駄なく活用することで美味しく健康的な食生活をサポートします。

    スイカを食卓に積極的に取り入れることで美味しくヘルシーな食事を楽しんでみてはいかがでしょうか。スイカはそのまま食べても美味しいですし、丸ごと食べるために料理に挑戦してみるのもおすすめです。

    このブログ記事を参考に、スイカを日常生活に取り入れ、健康的な食生活を実現しましょう。

    参考・引用文献

    [1] U.S. Department of Agriculture, Agricultural Research Service, Nutrient Data Laboratory. (2015). USDA National Nutrient Database for Standard  Reference, Release 28 (Slightly revised). Version Current: May 2016.      

    [2] Tarazona-Díaz, M.P.; Viegas, J.; Moldao-Martins, M.; Aguayo, E.(2011). Bioactive Compounds from Flesh and By-Product of Fresh-Cut Watermelon Cultivars. J. Sci. Food Agric. 91, 805–812.

    [3]Khan, U. M., Sevindik, M., Zarrabi, A., Nami, M., Ozdemir, B., Kaplan, D. N., Selamoglu, Z., Hasan, M., Kumar, M., Alshehri, M. M., & Sharifi-Rad, J. (2021). Lycopene: Food Sources, Biological Activities, and Human Health Benefits. Oxidative Medicine and Cellular Longevity, 2021, Article ID 2713511.

    [4]Linus Pauling Institute. (n.d.). Carotenoids. Oregon State University. 閲覧日:2024/9/25, 

    [5]Nadeem, M., Navida, M., Ameer, K., Siddique, F., Iqbal, A., Malik, F., Ranjha, M. M. A. N., Yasmin, Z., Kanwal, R., & Javaria, S. (2022). Watermelon nutrition profile, antioxidant activity, and processing. Korean Journal of Food Preservation, 29(4), 531-545. 

    [6] Chakrabarty, D., Mohamed, R., Hasanin, M. S., & Hashem, A. H. (2020). Valorization of watermelon rind: A step toward reducing agro-waste. Industrial Crops and Products, 161, 113079. 

    [7]U.S. Department of Agriculture, Agricultural Research Service. FoodData Central. “Seeds, watermelon seed kernels, dried”. Published April 1, 2019. Accessed September 1, 1984,閲覧日:2024/9/25

    [8]Karimi, E., Abaj, F., Gholizadeh, M., Asbaghi, O., Amini, M. R., Ghaedi, E., & Hadi, A. (2023). Watermelon consumption decreases risk factors of cardiovascular diseases: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Diabetes Research and Clinical Practice202, 110801.

    [9] Lum, T., Connolly, M., Marx, A., Beidler, J., Hooshmand, S., Kern, M., Liu, C., & Hong, M. Y. (2019). Effects of fresh watermelon consumption on the acute satiety response and cardiometabolic risk factors in overweight and obese adults. Nutrients, 11(3), 595.

    [10] Gonzalez, A. M., & Trexler, E. T. (2020). Effects of citrulline supplementation on exercise performance in humans: A review of the current literature. Journal of Strength and Conditioning Research, 34(5), 1480–1495.

    [11] Manivannan A, Lee E-S, Han K, Lee H-E, Kim D-S. Versatile Nutraceutical Potentials of Watermelon—A Modest Fruit Loaded with Pharmaceutically Valuable Phytochemicals. Molecules. 2020;25(22):5258.

    [12] Kand’ar, R., Zakova, P., & Muzik, J. (2005). Determination of citrulline in human plasma by high-performance liquid chromatography. Journal of Chromatography A, 1078(1-2), 11-15.

    [13]Smith, J., Brown, A., & Taylor, K. (2022). Bioavailability of Citrulline in Watermelon Flesh, Rind, and Skin Using a Human Intestinal Epithelial Caco-2 Cell Model. Journal of Nutritional Biochemistry, 35(7), 123-135.

    [14]Bhat, F. M., & Ahsan, H. (2022). An update on functional, nutraceutical and industrial uses of watermelon (Citrullus lanatus). Journal of Food Science and Technology, 59(1), 123-135.