スイカの色は何で決まる

スイカの色を決めるカロテノイド!赤・黄色・オレンジの違いとその秘密

スイカといえば赤い果肉を思い浮かべる人が多いですが、最近では黄色いスイカも一般的になり、さらにオレンジ色のスイカも登場しています。また、スイカの起源とされる原種の果肉は白色だったと言われることをご存知でしょうか?。

スイカの果肉の色は、「カロテノイド」と呼ばれる天然色素によって決まります。つまり、色ごとに含まれるカロテノイドの種類が異なる のです。

この記事では、スイカの色ごとの栄養素の違いや健康へのメリット について詳しく解説します!

目次
  1. スイカの色が違う理由とは? カギを握るのはカロテノイド!
  2. 赤いスイカの特徴:『リコピン』が豊富
  3. 黄色いスイカの特徴:『キサントフィル類』が豊富
  4. オレンジ色のスイカの特徴|『β-カロテン』が豊富
  5. スイカの起源は白いスイカ?コルドファンメロンについて
  6. 健康のためには様々な色の食べ物を取り入れよう!
  7. まとめ

1. スイカの色が違う理由とは? カギを握るのはカロテノイド!

スイカの果肉の色は、「カロテノイド」と呼ばれる天然色素によって決まります。

カロテノイドは自然界に広く存在し、強い抗酸化作用を持つ色素 です。そのため、生活習慣病の予防や健康維持に役立つ成分 としても注目されています。

スイカでは、カロテノイドが光合成の過程で生成され、果実が成熟するにつれて果肉の色が変化 します。未熟なスイカの果肉は白っぽいことが多いですが、成長とともに赤・黄色・オレンジ などに変わっていきます。

スイカの色を決めるカロテノイドの種類

カロテノイドは、大きく分けて 「カロテン類」「キサントフィル類」 の2種類に分類されます。

カロテノイドの分類
カロテノイドの分類について

スイカの果肉の色は、含まれるカロテノイドの種類や量によって決まります。赤いカロテノイドが豊富なら赤いスイカに、黄色いカロテノイドが多ければ黄色いスイカになるというわけです。

カロテノイドは植物だけに含まれるわけではない?

実は、カロテノイドは植物だけでなく動物にも含まれていることがあります。例えば、サケに含まれる「アスタキサンチン」 もカロテノイドの一種であり、強い抗酸化作用を持つことで知られています。

このように、カロテノイドは赤〜オレンジ色の鮮やかな色を示すことが特徴 です。

2. 赤いスイカの特徴:『リコピン』が豊富

赤いスイカに含まれるのは『リコピン』

赤いスイカは最も一般的で、広く親しまれている品種です。その鮮やかな赤色のもととなるのが、カロテン類に属するカロテノイド「リコピン」 です。

実は、生の果肉で比較すると、赤いスイカはトマトよりもリコピンを多く含んでいる ことをご存知でしょうか?スイカはリコピンの優れた供給源であり、健康にさまざまな良い影響をもたらすことが研究で示されています。

特に、リコピンは生活習慣病の予防に高い効果を発揮する ことが分かっています。

リコピンの健康効果

2021年に Trends in Food Science & Technology に掲載された研究によると、リコピンには以下のような健康効果があると報告されています。

  • がん予防:抗酸化作用により細胞のダメージを抑え、がんリスクを低減
  • 胃炎の軽減:炎症を抑え、胃の健康をサポート
  • 動脈硬化の予防:コレステロールの酸化を防ぎ、血管の健康を維持
  • 心臓病リスクの低減:血流を改善し、心血管系の健康をサポート

[1]より引用

リコピンは、カロテノイドの中でも特に強力な抗酸化作用を持つことで知られており、現在も多くの研究が進められています。 健康維持において重要な役割を果たし、その効果がさまざまな分野で注目されています。

赤いスイカの代表的な品種

スイカといえば、やはり「赤い果肉」が定番。
赤いスイカには多くの品種があり、まさにスイカの王道カラーといえるでしょう。

ちなみに、当農園では『あきた夏丸チッチェ』という品種を栽培しています。
甘みが強く、シャリッとした食感が特徴の人気品種です。

小玉スイカ:あきた夏丸チッチェ達
あきた夏丸チッチェ

3. 黄色いスイカの特徴:『キサントフィル類』が豊富

黄色いスイカに多く含まれるのは『キサントフィル』

黄色い果肉のスイカには、キサントフィル類のカロテノイド(ネオキサンチン、ビオラキサンチン、ルテオキサンチンなど)が豊富に含まれています。これらのキサントフィル類は黄色系の色素 を示し、柑橘類やパンジーなどにも含まれています。

スイカの果肉の色とキサントフィル含有量の違い

2013年に Agricultural Sciences掲載された研究によると、スイカの果肉の色とキサントフィル含有量には以下のような違いがあることが示されています。

  • 赤い果肉のスイカ → キサントフィル含有量が低い(約3%)
  • オレンジ果肉のスイカ → 中程度(約7%)
  • 黄色果肉のスイカ → キサントフィル含有量が最も高い

特に黄色いスイカでは、ネオキサンチン、ビオラキサンチン、ルテオキサンチン(キサントフィル類)が主要なカロテノイドであり、総カロテノイドの約82.87〜90%を占める

[2]より引用

つまり、黄色いスイカに含まれるカロテノイドの大半はキサントフィル類 であることが分かります。

キサントフィル類の健康効果

キサントフィル類のカロテノイドは、高い抗酸化作用を持ち、生活習慣病の予防や目の健康維持に役立つ ことが知られています。

目の健康維持

2013年にNutrients掲載された研究によると、

ルテインやゼアキサンチン は、有害な青色光や紫外線を吸収し、加齢性黄斑変性症のリスクを軽減 することが確認されています

[3]より引用

抗がん作用

2014年にSpringerに掲載された研究によると、

ゼアキサンチン には 抗腫瘍特性 があり、ネオキサンチンは前立腺がん細胞の増殖を抑制 する働きがあることが確認されています

[4]より引用

黄色いスイカは、キサントフィル類を豊富に含み、強い抗酸化作用や目の健康維持効果が期待できるわけです。

黄色いスイカの代表的な品種

近年、黄色いスイカの品質は大きく向上しており、甘みや食感も赤いスイカに引けを取らないレベルになってきています。

当農園では、『金色羅皇(こんじきらおう)』や『ゴールデンジャック』といった黄色いスイカを栽培しています(2025年現在)。

どちらも糖度が高く、とても美味しい人気の品種です。
見た目もインパクトがあり、贈り物にもおすすめです。

金色羅皇カット風景のカット風景
金色羅皇は大きくて、爽やかな味わいです

    4. オレンジ色のスイカの特徴|『β-カロテン』が豊富

    オレンジ色のスイカに多く含まれるのは『βカロテン』

    オレンジ色のスイカをご存じでしょうか? 実は日本でも希少なスイカとして生産されています。

    オレンジ色の果肉のスイカには、カロテン類に属するカロテノイド『β-カロテン』が主に含まれている ことが研究で示されています[2]。

    β-カロテンは、体内でビタミンAに変換される重要な栄養素 です。ビタミンAは、皮膚の健康や視力の維持に不可欠 な成分として知られています。また、β-カロテンには強力な抗酸化作用 があり、体を酸化ストレスから守る役割も果たします。

    β-カロテンといえば ニンジン を思い浮かべる方が多いですよね。実はオレンジ色のスイカの色は、ニンジンと同じβ-カロテンによるもの です。

    βカロテンの健康効果

    β-カロテンは体内に入るとビタミンAに変換 され、以下のような重要な働きをします。

    • 皮膚の健康維持:細胞の発達を促進し、健康な肌を保つ
    • 目の健康維持:視力の維持や暗所での視覚機能の向上に貢献
    • 強力な抗酸化作用:フリーラジカルを除去し、老化や病気のリスクを軽減

    また、最近の研究ではβ-カロテンが認知機能の維持に関与している ことが報告されています[5]。

    オレンジスイカの代表的な品種

    オレンジ色の果肉を持つスイカは、まだまだ珍しい存在ですが、近年少しずつ注目を集めています。

    その代表的な品種が、ナント種苗さんの『サマーオレンジ』シリーズです。
    このシリーズには、大玉・中玉・小玉とサイズ展開があり、用途に応じて選べるのが魅力です。

    赤や黄色のスイカに比べると流通量は少なく、まだ希少な存在です。

    気になる方は、ネット通販などで取り寄せることもできますので、ぜひ一度味わってみてください。

    なお、当農園では現在(2025年)、オレンジスイカの栽培は行っておりません。

    5.スイカの起源は白いスイカ?コルドファンメロンについて

    スイカの起源は白いスイカ

    スイカの起源が アフリカ だということをご存じでしょうか? そして、その原種とされる『コルドファンメロン』の果肉は 白色 なのです。

    「でも、なぜ“メロン”なの?」と思われるかもしれませんね。これは、スイカが英語で “watermelon” と呼ばれ、ウリ科の植物に属するため です。

    コルドファンメロンが白い理由

    これまで紹介してきたように、スイカの果肉の色は カロテノイド(色素成分)の種類によって決まります。コルドファンメロンの果肉が白いのは、赤や黄色のようなスイカに含まれるカロテノイドが存在しないため です。

    日本にもある「白いスイカ」

    実は、コルドファンメロンとは別に、日本でも希少な白いスイカ が生産されています。

    そのひとつが、ナント種苗さんが販売している『クールチャージ潤』という品種です。

    しかし、この品種の生産量もごくわずか。市場に出回る機会が少ないため、まさに“幻のスイカ”ともいえる存在です。

    ナント種苗さんは、このスイカを『食べるスポーツドリンク』と謳っており、水分補給にはぴったりの品種です。

    見た目も味もユニークな白いスイカ。興味のある方は、検索してみてください。

    6.健康のためには様々な色の食べ物を取り入れよう!

      健康のためには様々な色の食品を

      これまでお話ししてきたように、食べ物の色は栄養素の違いを反映していることが多く、バランスよく摂取することが大切 です。

      どんな食品でも、食べすぎると体に悪影響を及ぼすことがあるため、適量を守ることが重要 です。

      そのため、普段の食事では、できるだけ様々な色の食べ物を取り入れることが健康維持につながります

      そう考えると、スイカも赤・黄色・オレンジ・白など色ごとに異なる栄養素を持つため、いろいろな色のスイカを楽しむことも健康に良いのかもしれませんね(笑)

      ぜひ、お腹の調子と相談しながら美味しく楽しんでみてください!

      6.まとめ

      左がチッチェ(赤)、右が金色羅皇(黄)
      左がチッチェ(赤)、右が金色羅皇(黄)

      スイカの果肉の色は、「カロテノイド」 と呼ばれる天然色素によって決まります。赤・黄色・オレンジ などの色ごとに含まれるカロテノイドの種類が異なり、それぞれのスイカに特有の栄養素と健康効果 が期待できます。

      • 赤いスイカリコピン が豊富
      • 黄色いスイカキサントフィル類 が豊富
      • オレンジ色のスイカβ-カロテン が豊富

      また、スイカの原種とされる 「コルドファンメロン」 は白い果肉を持ち、現代のスイカとは異なる特徴を持っていました。現在でも、日本では希少な白いスイカが生産 されており、スイカにはさまざまな色のバリエーションがあります。

      健康のためには、できるだけ様々な色の食べ物を取り入れることが大切 です。ぜひ、普段の食生活でも意識してみてください。

      スイカの色の違いを知りながら、夏の食卓にいろいろな種類のスイカを取り入れてみてはいかがでしょうか? 😊

      参考文献

      1. Zamuz, S., Munekata, P. E. S., Gullón, B., Rocchetti, G., Montesano, D., & Lorenzo, J. M. (2021). Citrullus lanatus as source of bioactive components: An up-to-date review. Trends in Food Science & Technology, 111, 208–222. https://doi.org/10.1016/j.tifs.2021.03.002
      2. Zhao, W., Lv, P., & Gu, H. (2013). Studies on carotenoids in watermelon flesh. Agricultural Sciences, 4(7A), 13–20. https://doi.org/10.4236/as.2013.47A003
      3. Abdel-Aal, E. S. M., Akhtar, H., Zaheer, K., & Ali, R. (2013). Dietary sources of lutein and zeaxanthin carotenoids and their role in eye health. Nutrients, 5(4), 1169–1185. https://doi.org/10.3390/nu5041169
      4. Alcaino, J., Baeza, M., & Cifuentes, V. (2014). Astaxanthin and related xanthophylls. In S. Martín, J. F. García-Estrada, & C. Zeilinger (Eds.), Biosynthesis and molecular genetics of fungal secondary metabolites (1st ed., pp. 187–208). Springer. https://doi.org/10.1007/978-1-4939-1191-2_9
      5. Abrego-Guandique, D. M., Bonet, M. L., Caroleo, M. C., Cannataro, R., Tucci, P., Ribot, J., & Cione, E. (2023). The effect of beta-carotene on cognitive function: A systematic review. Brain Sciences, 13(10), 1468. https://doi.org/10.3390/brainsci13101468