スイカの本場を訪ねて:収穫時期と日本の名産地を徹底解説
はじめに
スイカが一年中食べられるって本当?
スイカといえば、真夏の暑い時期に食べるイメージが強いですよね。
スイカはアフリカを起源とする食べ物で、暑さを好む植物です。その栽培には高い気温が必要で、特に夏の太陽の光をたっぷり浴びることで甘みが増します。
四季がある日本では冬にスイカを食べられないのでは?と思われるかもしれません。
しかし、日本では一年を通してスイカを楽しむことができるんです。スイカ好きの方にとっては朗報ですね。
実際に、月別の全国のスイカ生産量を見ていきましょう。
[1]を元に作成
この図を見ると、全国のスイカの生産量は7月にピークを迎える一方で、寒い時期には減少していることがわかります。
しかし、年間を通じてスイカの生産が完全に途切れることはありません。グラフでは確認しにくいですが、全国で1月には約34000kg、2月には約56000kg程度の生産量があります
これは、ビニールハウスを活用することで、冬季でも気温を一定に保ちながら栽培が可能になったためです。さらに、九州地方や沖縄などの暖地では、その温暖な気候を活かしてスイカを生産しています。
こうした技術や地域の特性を最大限に活用することで、一年を通じて安定したスイカの供給が実現されているのです。
スイカの本場はどこなのか?
では、そのスイカが収穫されている本場はどこなのでしょうか。
ここで日本における都道府県別のスイカの生産割合を確認して見ましょう。
[1]を元に作成
東京都中央卸売市場のデータによれば、スイカの生産量が多い都道府県のトップ5は、順に熊本県、山形県、千葉県、茨城県、鳥取県となっています。
さらに驚くべきことに、このトップ5の都道府県だけで、日本全体のスイカ生産量の約7割を占めています。
まさにデータから見ても、この5県は「スイカの本場」と言えるでしょう。
それでは、トップ5の都道府県について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
全国のスイカの本場ベスト5
東京都中央卸売市場のデータを元に、それぞれの都道府県の月別スイカ生産量のグラフを作成しました[1]。
1位 熊本県
[1]より作成
熊本県の基本データ生産量:8,719,281 kg
全国の生産割合:22.2%
主な品種:スーパーエース、春のだんらん、祭ばやし[2]より引用
熊本県は日本最大のスイカ生産地
熊本県は、日本国内で最大のスイカ生産量を誇る地域です。その理由は、自然環境の恵みと農家の高い技術力にあります。特に南九州特有の温暖な気候と、スイカの成長に欠かせない豊富な日照量が、糖度の高い甘いスイカを生み出す大きな要因となっています。さらに、熊本県は冬季にもスイカを生産できる産地として知られています(令和5年は1月に約17000kg、2月に35000kg)。
これにより、全国的にスイカの供給が途絶えることがなく、熊本県は一年を通じて消費者に新鮮なスイカを届ける重要な役割を果たしています。
熊本スイカを支える肥沃な土壌
熊本県は、火山灰由来の肥沃な土地が広がる地域として知られています。特に、阿蘇山周辺の火山灰土壌は水はけが良く、スイカ栽培に非常に適しています。この土壌環境により、スイカの根が健やかに成長し、果実に十分な養分を供給する理想的な条件が整っています。
県内最大のスイカの名産地:熊本市
熊本県内では、熊本市がスイカの主要生産地として知られています。特に植木地域はスイカの名産地として有名で、多くの高品質なスイカがここで栽培されています。
また、熊本市植木町には「道の駅 すいかの里 うえき」があり、スイカを地域の象徴として積極的にPRしています。地元の特産品としてのスイカへのこだわりが感じられる場所です。
2位 山形県
[1]より作成
山形県の基本データ生産量:6,390,218 kg
全国の生産割合:16.3%
主な品種:祭ばやし777[2]より引用
山形県:日本有数のスイカ生産地
山形県もスイカの主要生産地として広く知られています。特に、寒暖差の激しい気候を活かした栽培方法により、糖度が高くみずみずしいスイカが生産されています。
山形の寒暖差が生む濃厚な甘み
山形県のスイカ栽培の最大の特徴は、昼夜の寒暖差が大きい気候条件にあります。この寒暖差は、近くにそびえる奥羽山脈の影響によるものです。奥羽山脈は冷涼な空気をもたらし、夜間の気温を下げる役割を果たしています。
日中にはスイカが十分な光合成を行い、夜間に気温が下がることで糖分がしっかりと蓄えられます。この環境こそが山形スイカ特有の甘さを生み出す秘訣です。
県内最大のスイカの名産地:尾花沢市
山形県内で特にスイカ生産が盛んな地域が尾花沢市です。この地域は、山形スイカの代名詞ともいえる存在で、大規模なスイカ栽培が行われています。
毎年夏には、道の駅「ねまる」にて「尾花沢すいかコンテスト」が開催されます。このイベントでは、ジャンボスイカコンテストやスイカの重さ当てクイズなど、来場者が楽しめるさまざまな催しが行われ、地域を盛り上げています。
こうしたイベントは、尾花沢市のスイカの魅力を広くアピールするとともに、地域の活性化にも大きく貢献しています。
3位 千葉県
[1]より作成
千葉県の基本データ生産量:6,254,954 kg
全国の生産割合:16.0%
主な品種:祭ばやし、紅大、味きらら、春のだんらん[2]より引用
関東有数のスイカ生産地:千葉県
千葉県は、関東地方を代表するスイカの生産地として知られています。スイカが主要な農産物の一つとして生産され、その品質の高さが多くの消費者に支持されています。また、首都圏に近い地理的な利点もあり、新鮮なスイカを迅速に市場へ届けることが可能です。
千葉の水はけの良い砂質土壌
千葉県は、比較的温暖な気候に加え、関東平野に広がる水はけの良い砂質土壌を持つ地域が多く、スイカの栽培に非常に適しています。この土壌はスイカの根が健全に成長するのに適しており、甘さや食感の良いスイカを生み出す重要な要因となっています。さらに、豊富な日照量がスイカの糖度を高めるのにも寄与しています。
県内最大のスイカの名産地:富里市
千葉県内で特にスイカの生産が盛んな地域が富里市です。この市は「スイカのまち」として広く知られており、高品質なスイカの生産地として全国的にも注目されています。
毎年この富里市では、ユニークなイベント「富里スイカロードレース」が開催されます。このマラソン大会では、給水所ならぬ「給スイカ所」が設けられ、ランナーに無料でスイカが振る舞われます。また、スイカの仮装をして走る参加者も多く、イベント全体が賑やかな雰囲気に包まれます。
こうした活動を通じて、富里市はスイカの魅力を発信するとともに、地域の活性化にも貢献しています。
4位 茨城県
[1]より作成
茨城県の基本データ生産量:4,366,089 kg
全国の生産割合:11.1%[2]より引用
関東有数のスイカ生産地:茨城県
茨城県は、関東地方を代表するスイカの生産地の一つであり、県内各地でスイカ栽培が盛んに行われています。首都圏からのアクセスが良いという地理的利点を活かし、全国各地に高品質なスイカを迅速に届ける体制が整っています。
茨城がスイカ生産に適している理由
茨城県がスイカの生産に適している理由は、豊かな自然環境と優れた地理的条件にあります。特に、筑西市を含む県内の広範囲に広がる水はけの良い砂質土壌は、スイカの根を健やかに育てるのに適しており、糖度が高く品質の良いスイカを生み出します。この土壌は、関東平野に広がる特有の地形がもたらした恵みでもあります。
さらに、茨城県は温暖な気候と長い日照時間に恵まれ、スイカが十分に糖分を蓄える条件が整っています。
県内最大のスイカの名産地:筑西市
茨城県筑西市は、スイカの名産地として全国的に知られています。筑西市産のスイカは、特に糖度が高く、シャリっとした食感が特徴で、多くの消費者から支持を集めています。地元にはスイカの直売所が多く、新鮮なスイカを購入できるほか、観光客を対象としたイベントやスイカを活用した地域おこしも積極的に行われています。
筑西市は、特にスウィートキッズやピノガールといった小玉スイカの生産地としても有名です。これらの品種は、冷蔵庫に丸ごと入る手頃なサイズと、高い糖度やみずみずしい食感が特徴で、贈答用としても高い人気を誇ります。
5位 鳥取県
[1]より作成
鳥取県の基本データ生産量:2,588,287 kg
全国の生産割合:6.6%
主な品種:祭ばやし 777、祭ばやし RG、春のだんらん、筑波の香、がぶりこ BⅡ、稀勢丸[2]より引用
全国有数のスイカ生産地:鳥取県
鳥取県は、日本有数のスイカ生産地として広く知られています。県東部から中部にかけてスイカ栽培が盛んに行われ、特に高品質なスイカが全国の消費者から支持を集めています。
鳥取がスイカ生産に適している理由
鳥取県がスイカの生産に適している理由は、独特の自然環境にあります。鳥取砂丘周辺や県中部では、水はけの良い砂地や砂質土壌が広がり、スイカの栽培に理想的な条件を備えています。この土壌は昼夜の寒暖差を生み出すのに寄与し、スイカに甘さを引き出す効果があります。
さらに、大山山麓の地域では、地下水が豊富に湧き出ており、安定した水の供給が可能です。温暖な気候と長い日照時間も、スイカの成長に適しており、鳥取県産スイカの高品質を支える重要な要因となっています。
県内最大のスイカの名産地:北栄町
鳥取県内で特にスイカの生産が盛んな地域が、北栄町(旧・大栄町)です。この地域は、大玉スイカの生産地として全国的に有名で、「大栄スイカ」というブランド名で出荷されています。
番外編~当農園がある秋田県について~
10位 秋田県
トップ5には入れなかったものの、当農園がある秋田県についても解説させていただきます💦
[1]より作成
秋田県の基本データ生産量:1,371,346 kg全国の生産割合:3.5%主な品種:縞無双 H・HG、ひとりじめ7・7EX・HM・Smart、秋田夏丸、秋田夏丸チッチェ(登録品種)[2]より引用
東北のスイカ生産地:秋田県
秋田県は、山形県に次ぐ東北地方のスイカ生産地として知られています。特に県南部ではスイカの栽培が盛んで、温暖な夏の気候と山沿いの寒暖差を活かし、高品質なスイカが生産されています。2023年のデータによると、秋田県のスイカ生産量は全国の約3.5%を占めています。
秋田がスイカ生産に適している理由
秋田県がスイカの生産に適しているのは、夏季の気候と肥沃な土壌に恵まれているためです。
冬に降る豊富な雪が春になると水源となり、スイカの糖度を高めるのを助けます。また、水はけの良い土壌が広がり、スイカの生育を促進する環境が整っています。このため、秋田県では甘みが強くシャリ感のあるスイカが育ちます。
県内最大のスイカ産地:横手市
秋田県内で最大のスイカ産地は横手市です。横手市は奥羽山脈に囲まれた盆地に位置し、昼夜の寒暖差が大きいため、糖度の高い甘いスイカが育ちます。この自然条件を活かし、横手市では高品質なスイカが多く生産されています。
さらに、秋田でしか育てられない特産品として、大玉スイカの「秋田夏丸」や小玉スイカの「秋田夏丸チッチェ」があります。これらは圧倒的なシャリ感で人気を博しており、地域を代表するブランドスイカとして注目されています。
まとめ

日本のスイカの名産地としては、熊本県(熊本市)、山形県(尾花沢市)、千葉県(富里市)、茨城県(筑西市)、鳥取県(北栄町)などが挙げられます。これらの地域は、日本全体のスイカ生産量の約7割を占める重要な生産拠点であり、「スイカの本場」と呼ぶにふさわしいです。
また、暖かい地域ではビニールハウスを活用した冬季栽培が盛んに行われており、日本では一年を通じて新鮮なスイカを楽しむことができます。
参考文献
[1]東京都中央卸売市場. (2023). 市場統計情報. 東京都中央卸売市場.
[2]農林水産省. (2023). 各都道府県において主に栽培されている品種(令和5年3月末現在). 農林水産省輸出・国際局知的財産課種苗室.

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